フレイル
新型コロナウィルス感染症は、感染の危険性だけではなく、
高齢者にとって 家に閉じこもることによる健康への悪影響が懸念されます。
コロナ禍で外出を控えることは、貴重な歩行の機会が失われ、
筋肉の量や質の低下を招く大きな原因にもなりかねません。
動かないこと(生活不活発)で、フレイル(虚弱)が進むと言われています。
フレイルって?
【フレイル】
フレイルとは、いわゆる「虚弱」で、「加齢により心身が老い衰えた状態」。
「加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態」。
フレイルは、健康な状態と要介護状態の中間に位置し、
身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指すそうです。
介護が必要になる前段階とも言える「フレイル」ですが、
早く対策を行えば
元の健常な状態に戻り、要介護状態に進まずに済む可能性があるようです。
※フレイルには、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけでなく、
気力の低下などの精神的な変化や社会的なものも含まれるといわれます。
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【 フレイル・サイクル 】悪循環
加齢などにより筋力や筋肉量が減少すると
↓
活動量が減り、エネルギー消費量が低下します。
↓
食欲が湧かないので、食事の摂取量が減り、
↓
タンパク質など栄養の摂取不足による低栄養の状態になります。
↓
低栄養の状態が続くと体重が減少し、
↓
筋力や筋肉量が減少していきます。
こうした悪循環を繰り返すと・・・
転倒や骨折、慢性疾患の悪化などをきっかけとして
要介護状態になる可能性が高くなってしまう恐れがあります。


外出の際には、必ず 新型コロナウィルス感染症の感染予防対策を行った上で、
可能な範囲で 体を動かす機会を生かして、健康維持に 努めたいものです。
食事は 筋肉の元となるタンパク質を中心に、さまざまな栄養素をバランス良く摂り、筋肉を減らさないように心がけることが大切なようです。
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フレイルに注意して 高齢者の健康を維持していくためには、
①栄養 ②運動 ③社会参加 の3つが重要と言われています。
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[栄養]
栄養バランスの良い、十分なエネルギーのある食事を摂るよう心がける。
筋肉や血をつくる元となる栄養素「たんぱく質」を多く含む食材や、
筋肉や骨の維持、形成に欠かせない栄養素「ビタミンD」を積極的に摂る。
ビタミンDは、きのこ類、魚介類、卵に多く含まれ、日の光を浴びることでも作り出されます。
[運動]
意識的にカラダを動かす(人との距離をしっかりとった上で)ことが大切。
軽い散歩・ウォーキング等の運動を日常的に心掛け、家の中でも無理のない範囲で身体を動かす。ゆるいストレッチやスクワットなど 自分の体調に合わせ安全に。
[社会参加]
社会参加の機会が低下するとフレイルの悪循環に陥りやすくなるそうです。
就労やボランティア活動、趣味やお稽古事、友人知人との交流や近所付き合いなど、地域社会にかかわる活動に参加することが効果的。閉じこもりがちな生活をしないように、生活習慣の改善を。
人とのつながりが希薄になると、認知機能が低下する恐れがあるともいわれます。
ちょっとした挨拶や会話も大切。電話やオンラインをうまく活用したりして、
友人や家族と意識して連絡を取り合うなど、人とのつながりを切らさない。
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閉じこもりがちな生活になりやすい コロナ自粛の今、
感染予防対策を行った上で、実践を心がけたいものです。
このページは 医療に関わる専門情報を提供するものでははありません。
あくまでも 広く知られている常識範囲での 一般的な情報に過ぎません。
ご自身の健康や症状に不安がある場合は、自己判断は危険です。
専門の医療機関・医師の受診・ご相談をお勧めします。お早めに!
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